友達も親兄弟も親戚もいない女性が主役です。
主役は付き合っている彼氏と別れても、
外国に見つけた仕事に飛びつきます。
仕事はインターネットのセキュリティ関係です。
主役が外国につくと、パスポートを盗まれ、
自分の名前を変更されます。
いつのまにか自分の名前の別人がいます。
主役は何かの陰謀に巻き込まれたようです。
自分が自分であることを証明しようと行動する中で、
関わった人間が殺されていきます。
それでも主役は陰謀のようなものをつきとめ、
誰かが自分の名前でマフィアの金を盗み、
別の場所に送っていたのだと知ります。
その金を自分のものにして、
悪者に取引を持ちかけますが主役はつかまります。
殺人も主役のせいにされます。
主役の精神状態を疑う医者も悪の組織の一味で、
主役をさんざんに侮蔑します。
主役の彼氏も悪の組織の一味でした。
主役の彼氏ともみあいになってどうにか逃げると、
主役は国際警察に保護されます。
そこで自分がおとりにさせられていたことを知ります。
悪の組織から逃げるために、主役と警察は一芝居うちます。
主役の彼氏と精神科医と主役で、
銀行に行ってお金を手に入れるところで、
警察がマフィアのふりで襲い掛かり、
主役を殺したように見せました。
敵の組織は主役が死んだと思ったようです。
主役は別の名前と身分で高飛びしますが、
お金はこっそり自分の口座に移していました。
けれど、それも全部監視されていたのでした。
……というようなお話です。
人が自分の名前を奪われるという薄気味悪さ、
恐ろしさは出ていますが、
表現方法においてとにかく胸糞の悪い映画でした。
主役に関わる人間は、国際警察か悪の組織かのどちらかで、
主役があわてるさまを監察しています。
スチュワーデス、タクシーの運転手が警察で、
彼氏、医者、パスポート発行者が悪の組織です。
パスポートまで別人にすりかえる技術と組織力がありながら、
警察にはしっぽをつかまれていて、
そのことにも気づいていません。
組織というわりには、組織ぐるみで綿密に練られた犯行の
ようには見えません。
中途半端です。
一方でそれをかぎつけた警察の捜査力はすごいものですが、
主役は自分がネットに関わる人間でありながら、
そこのすごさを一切考えず、最後は詐欺で、
犯罪者のお金を自分の物にするという行為を行います。
その時点で主役も犯罪者です。
また、主役は事件に巻き込まれたあと
ネットにアクセスするのに自分のIDを使って、
悪の組織にばれます。あれもあさはかです。
主役がネット関係に詳しいのか詳しくないのか微妙なので
どこまでまともに見ればいいのかわかりませんでした。
警察もすごい捜査力を持って、飛行機の中で会ったときから
発信機を渡すという仕込みをしていたにも関わらず、
後のほうでは即興でお芝居を打つなど、
慎重なのかそうでないのかわからない行動をとります。
それぞれがそれぞれに微妙な雰囲気を出しているため、
全体としてどこかそらぞらしさが漂い続けました。
さらに、不愉快さは前面にでていたので、
見ているのが結構苦痛でした。
たいしたことのない映画でした。