1191
2012-03-10
ザ・インターネット2 美しき逃亡者
THE NET 2.0
2006年 アメリカ
友達も親兄弟も親戚もいない女性が主役です。

主役は付き合っている彼氏と別れても、
外国に見つけた仕事に飛びつきます。
仕事はインターネットのセキュリティ関係です。

主役が外国につくと、パスポートを盗まれ、
自分の名前を変更されます。

いつのまにか自分の名前の別人がいます。
主役は何かの陰謀に巻き込まれたようです。

自分が自分であることを証明しようと行動する中で、
関わった人間が殺されていきます。

それでも主役は陰謀のようなものをつきとめ、
誰かが自分の名前でマフィアの金を盗み、
別の場所に送っていたのだと知ります。

その金を自分のものにして、
悪者に取引を持ちかけますが主役はつかまります。
殺人も主役のせいにされます。

主役の精神状態を疑う医者も悪の組織の一味で、
主役をさんざんに侮蔑します。
主役の彼氏も悪の組織の一味でした。

主役の彼氏ともみあいになってどうにか逃げると、
主役は国際警察に保護されます。
そこで自分がおとりにさせられていたことを知ります。

悪の組織から逃げるために、主役と警察は一芝居うちます。
主役の彼氏と精神科医と主役で、
銀行に行ってお金を手に入れるところで、
警察がマフィアのふりで襲い掛かり、
主役を殺したように見せました。
敵の組織は主役が死んだと思ったようです。

主役は別の名前と身分で高飛びしますが、
お金はこっそり自分の口座に移していました。
けれど、それも全部監視されていたのでした。


……というようなお話です。

人が自分の名前を奪われるという薄気味悪さ、
恐ろしさは出ていますが、
表現方法においてとにかく胸糞の悪い映画でした。

主役に関わる人間は、国際警察か悪の組織かのどちらかで、
主役があわてるさまを監察しています。

スチュワーデス、タクシーの運転手が警察で、
彼氏、医者、パスポート発行者が悪の組織です。

パスポートまで別人にすりかえる技術と組織力がありながら、
警察にはしっぽをつかまれていて、
そのことにも気づいていません。
組織というわりには、組織ぐるみで綿密に練られた犯行の
ようには見えません。
中途半端です。

一方でそれをかぎつけた警察の捜査力はすごいものですが、
主役は自分がネットに関わる人間でありながら、
そこのすごさを一切考えず、最後は詐欺で、
犯罪者のお金を自分の物にするという行為を行います。
その時点で主役も犯罪者です。

また、主役は事件に巻き込まれたあと
ネットにアクセスするのに自分のIDを使って、
悪の組織にばれます。あれもあさはかです。

主役がネット関係に詳しいのか詳しくないのか微妙なので
どこまでまともに見ればいいのかわかりませんでした。

警察もすごい捜査力を持って、飛行機の中で会ったときから
発信機を渡すという仕込みをしていたにも関わらず、
後のほうでは即興でお芝居を打つなど、
慎重なのかそうでないのかわからない行動をとります。

それぞれがそれぞれに微妙な雰囲気を出しているため、
全体としてどこかそらぞらしさが漂い続けました。
さらに、不愉快さは前面にでていたので、
見ているのが結構苦痛でした。

たいしたことのない映画でした。