1200
2012-03-21
ミッション・トゥ・マーズ
MISSION TO MARS
2000年 アメリカ
主役は元宇宙飛行士です。
奥さんが死んだあと、宇宙飛行士を辞めました。

主役の同僚たちは火星に行きます。
そこで人工建造物の顔のようなものを見つけ、調査を開始すると、
生き物のような砂嵐が襲ってきて死にます。

一人生き残りがいる可能性があるので、
地球から助けを出すことになります。
そこに主役が選ばれます。

主役たちは宇宙船で火星に向かいますが、小隕石群にぶつかり、
宇宙船が穴だらけになります。修復を試みますが壊れたので、
火星軌道上に周回していた人工衛星のようなものに
乗り込んで着陸をめざすことになります。

けれど、その過程で仲間の一人が飛ばされます。
それを助けに一人が行きましたが、
その飛ばされた仲間は失うものが大きいので
やめろというようなことを言い、助けにこないように自殺します。

火星に着陸します。主役たちは基地に行きます。
基地で調べていると、生き残りの仲間に襲われます。
どうにかいさめます。
生き残りの仲間から情報を聞きます。
人工建造物の顔は音をだしていて、立体化すると
DNAの形になるようです。
人間のDNAとはすこし違うので、人間のDNAになるように返すと
人工建造物の顔に入り口ができるので入ります。

人工建造物の中には映像装置があり、
火星が隕石で滅んだところを主役たちは見ます。
そしてその人工建造物は宇宙船だと知ります。
別の仲間が主役たちを助けに来ます。
主役は宇宙人の宇宙船に残り、ほかの仲間は地球に帰りました。


……というようなお話です。

雰囲気がすべての、中身はまったく意味がわからない映画です。
たとえば、最初で宇宙飛行士たちが謎の現象で殺されるあたり。
宇宙飛行士たちは、それが火星人の防衛システムだとは
知りません。襲われて殺された後も、確信はありません。

けれど、あとで主役たちが火星につき、
それを見ると、生き残りが主役に襲い掛かってきます。
幻覚なら肉体を使う意味はないですし、
火星に人間型の敵対生物がいるとわかっていない限り、
いきなり襲い掛かるという行動は理屈にあいません。

また、火星人たちも敵対生物に滅ぼされたのではなく、
隕石で星が滅んだだけなのに、
宇宙船の隠し場所である、人工建造物の顔に
殺害用の防衛システムをつけている意味がわかりません。

たとえば逃げ遅れた仲間が、そこにある宇宙船を使って
緊急で逃げようとしたときに、いちいち謎をといて
暗号を送り返すような必要があるのでしょうか?

話を見ていると、どうやら地球人がのちに来ることを
予想して作ったような節はありますが、
ならばなぜ、間違えたら殺すというような
非道なシステムにしているのかがわかりません。

また、そこにたどり着いても、
宇宙船に乗れるのはほんの一握りであって、
人類の全体が乗れはしないし、残りの人類が、
その宇宙船がどこに向かったかを知ることもできません。

たどり着いた一握りの地球人を自分たちの元につれてきて、
いったい何がしたかったのでしょうか。
遺伝子のサンプルかなにかでも欲しかったのでしょうか。

加えて、人工建造物の顔に入るためには
地球人の遺伝子情報を暗号化して入力する必要がありましたが、
なぜ火星人は地球人の遺伝子情報が将来的にそうなることを
知っていたのでしょうか?
自分たちとまったく同じになることはないはずで、
それをそこに用意しておくことの意味がまったくわかりません。

そこから離れても、主役たちが火星に行く前に事故にあい、
一人が死ぬシーンはまったくいらなかったと思います。
事故自体が火星人の反撃システムかと思いきや
まったく違ったようです。
意味としては、危機的状況でも対処できる主役というのを
見せたかったように思いますが、
時間と印象をとりすぎたように思います。

この映画はとにかくわからないこと、
意味がないことが多すぎるように感じました。

雰囲気だけで作っているように思えるので、
見ていることはできます。
けれど見終わったとき、いったい何がしたくて、
何を見ればよかった映画なのか、
わりきれない気分でいっぱいになりました。

話や演出を考えた全体では、なんとも言いようのない映画です。