1202
2012-03-23
ロードレージ
ROAD RAGE
2000年 アメリカ
主役は大学を休学した後復学した男性、
ヒロインは同じ大学の女性、
敵はヒロインと付き合っていた、
フットボールのスター選手の男性です。

冒頭、まだ敵とヒロインはつきあっています。
敵がヒロイン以外の女性と肉体関係を持ったことで
ヒロインが怒って別れをつげます。
敵は逆に怒って、ヒロインにつかみかかります。
そこへ主役がヒロインを助けに入ります。

主役はヒロインを家まで送ることにします。
道路で道を変えるところで、別の車にぶつかりかけます。
その車が主役とヒロインの乗った車を追ってきます。
殺されかけながら警察に行きます。けれど警察は本気にしません。

開放されたあと、ガソリンを入れていたらあの車が襲ってきます。
逃げて山道に入ってこぜりあい。
車を突き落としますが、その後主役の車はガソリン切れ。
歩いているうちに小屋を見つけて入ります。

小屋の中に車がありましたが、壊れています。
中で休んでいたらあの車が突っ込んできたので山へ逃げます。

近くに車が来て、中から敵とその仲間が出てきます。
朝まで待って、川を歩いて逃げようとしたら
また車が襲ってきます。

逃げてほかの車の前に出ます。車は山の警備員のものでした。
襲ってくる車に、警備員は銃を持って前に出ますが
敵はひき殺します。ひき殺して銃を奪います。
主役たちは警備員の車で逃げます。
ぶつかったりぶつけられたりしながら、
最後はがけから突き落として殺しました。


……というようなお話です。

全体としては、ただのカーチェイスモノです。
全編ほぼカーチェイスで、その間中、
ヒロインのくだらない愚痴や罵りが流れ続けます。
危ないから止めろ、話をするから止めろ、
反対車線を走れ、疲れたからおいていけ、
おいていかずにおぶれ、ここで休ませろ、
などなど、状況を理解しない馬鹿な言葉を流され続けて、
見ていて本当にいらつきました。

そもそもがヒロインのせいで危険な目にあっているので、
あんなもの二・三発本気で殴りつけて車から
蹴り出してやればいいのにと思いながら見ました。

最初は主役たちのせいで危うく事故を起こしそうになった車が
執拗に追ってくるような、ホラーめいた感じがありますが、
途中でヒロインの元彼氏とわかってからは、
ただこっちを殺したい相手から逃げようとするものになります。

相手の行動も、周囲の行動もまったく意味がわかりません。

敵はなぜかうまくやっているつもりになっていて、
周りもそれでごまかされてしまっています。

最初の道路で事故を起こしても、なぜか敵の車の目撃者も出ず、
事件にはなりません。
さらにガソリンスタンドで給油中の主役の車に
敵の車が突っ込んできてガソリンスタンドが爆発しても、
逃げた車を警察が追うことはありません。
あんなガソリンスタンドなら、監視カメラでもありそうなのに、
そんなことはありません。

もっともどうしようもないところは
携帯電話がなぜか壊れているので劇中では一切使えず、
車中から電話ができないという状況です。

途中の小屋の電話も都合よく壊れていて、
警察に助けを求めることができないようになっているのです。
ひどいご都合主義の作為を感じました。

途中、敵の車を横転させたあとでは、
それほど走らずに主役の車がガソリン切れで止まったのに、
近くの小屋でわがままを言って休もうとするのも
わけがわかりませんでした。
下手したら車を戻して追ってくるかもとか、
車を降りて追ってくるかもとかは一切考えないのでしょうか。
車も車で、主役とヒロインがいる小屋に、
車で突っ込んでくるのがわけがわかりません。
もしかしたら中にいるのは違う人間かもしれないのに、
なぜ突っ込んでこられたのでしょうか。

最初はホラーめかして、正体不明の車が
つけねらってくるようにしていましたが、
そのきっかけは主役の不注意走行で車がスピンしたこと。
それを恨んだのだろうという話に思えますが、
中にいたのが敵だとわかると、その状況にも矛盾が生じます。

もともとどうにかするつもりで追ってきていたのなら、
なぜスピンするような場所にいたのでしょうか?
最初から突っ込んできてもよかったのではないでしょうか?

見ている人間をミスリードさせようという
いやらしい作為を感じました。
そういったもろもろで、出てくる人間、出てくる状況が
ほとんどわけのわからないもので、
見ていてかなり不愉快になりました。

最初の不明車に追いかけられる話なら、
その方向でそのまま行ったほうがおもしろかったかもしれません。

つまらない映画でした。