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2012-03-29
フリーダムランド
FREEDOMLAND
2006年 アメリカ
主役は黒人刑事です。

黒人と白人の軋轢がある場所で、誘拐事件が起こります。
とある母親の乗っていた車が盗まれ、
後部座席にはその息子が乗っていたというのです。
この、母親が準主役です。

頭の弱い準主役は、取調べでも大事なことは言いません。
それでも主役たちは捜査します。

捜査の方法をめぐって、白人と黒人のぶつかりあり
も起こりそうになります。

子どもをさらわれた母親の会のようなものが
主役と一緒に準主役に接触し、いなくなった場所を探すうち、
準主役は誘拐は狂言で、こどもが死んでいたので処理した
というようなことを言い出します。

シングルマザーだった準主役は、
こどもを生んでしばらくは満足していましたが、
家庭もちの男との不倫に熱を上げ始め、
こどもが邪魔になりました。

邪険にしていたらこどもが風邪薬を大量に飲んで死んだので、
不倫相手に頼んで埋めてもらったのでした。
事件は解決し、主役は準主役に、
誰かを救う人になれというようなことを言うのでした。


……というようなお話です。

なにか雰囲気のある映画でした。

はじめは捜査モノになるのかと思いましたが、
準主役がでてくるとすぐに、そうではないと感じました。

とにかく準主役の態度が悪く、
何も話さないのに捜査をしろと言ったり、
問い詰められると自傷に走ったりと見ていて不愉快でした。

何がやりたい映画なのかわからず、映像や話も見ていると疲れて
めんどくさくなったのですが、
変な雰囲気だけはあったので見続けられました。

結局は準主役の、こども誘拐話は狂言で
死んでいたこどもの処理を愛人に頼んだというの
が事件の裏でした。話は、そういった裏を描きたかったようです。

事件の裏はそういったものがあって、そばに住む人たちは
不倫などもして、白人と黒人には対立があって、
警察と市民でも対立があって、警察内部同士でも対立があって、
母子家庭は生活に苦労していて、頭の弱い人はぐだぐだやって、
こどもはこどもで意思があって。

すべては目にはさやかには見えないけれど、
詳しく見ようとすればようやく見えてくるもので、
人はそんなしょうもない世界の中でも他人を救うことはできるし、
救える存在になったほうがいい、と
そんなことを伝えたい映画だったのかとぼんやり思いました。

ただ、映画上でははっきりと示されないため、
何がしたい映画なのかはよくわかりませんでした。
変に事件をからめたせいで全体の印象がぼんやりした気がします。
もっとわかりやすく描いて欲しかったと思いました。

まとめて考えると、どちらかといえばつまらない映画でした。