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2012-05-11
BATS 蝙蝠地獄
BATS
1999年 アメリカ
主役はこうもり学者の女性です。

ある日主役がこうもりの調査をしていたら政府の人間が来て、
一緒に来るように言われます。
主役は助手のような男性と一緒に行きます。

そこではこうもりが人を襲うウイルスに感染したというので
対策を考えます。
その間にも街が襲われ、大勢が殺されて大変なことになります。

軍は街周辺に爆弾を落としてこうもりごと焼き払うつもりですが
主役はそれをすると、ただこうもりが分散するだけで
かえって危険になると考えます。
それを言いますが相手にされません。

主役は2日だけ猶予をもらい、感染したこうもりを
皆殺しにすることにします。
政府の協力は上空からの写真を提供する程度です。

主役は巣の場所を探し出し、それまでは頑丈な場所で
篭城するつもりでしたが、研究者の一人が裏切ります。
殺人こうもりかウイルスかを作った研究者は、
自分がこうもりを作った支配者なので
こうもりたちに命令しようとしますが失敗して殺されます。
主役たちはどうにか生き延びます。

一方、こうもりの巣ではこうもりを凍らせて殺す計画が
軍によって進んでいましたが、急ぐあまり失敗。
皆殺しにされます。

朝になって主役たちがそこにいくと、
あと1時間程度で爆撃されるというので、
軍が仕掛けた冷凍装置のスイッチを自分で押しに行きます。

スイッチを入れたあとは襲われましたが、
入り口は封鎖してこうもりたちを閉じ込めました。
装置が起動してこうもりたちは死ぬ予定です。
爆撃も中止されます。

主役たちはほっとして帰ります。
難を逃れた一匹のこうもりが地面にいましたが
主役たちの車にひかれました。


……というようなお話です。

危ない生物が大発生したので全滅させる映画です。

基本的にはいんちき臭のする、パニック映画のようです。
けれど特に主役の助手がいい味を出していて、
シリアスにさせきらず、ところどころでギャグにします。
会話も適当で気楽です。

こうもりがガラスの向こうにいる人間を襲おうとしたり、
人にはいあがってまで首を狙おうとしたりするのが
よくわかりませんでしたが、
そのように改造した軍用こうもりだったようです。

けれど、こうもりはウイルスで狂っているはずなのに、
すぐさま人間の肉を食べて消化できるようになるなどの
超変化は納得できませんでした。

軍用に改造された多数のこうもりが逃げ出したならともかく、
ウイルス感染してほかのこうもりに簡単にウイルスを移す
こうもりなら、全部を駆逐するのは無理だと思います。

さらにはそんなこうもりを鉱山の中に閉じ込めて、
入り口を一箇所塞いで冷凍して殺すという作戦を見て、
どう考えても無理だろうと思いました。
鉱山というからには空気穴もあり、年を経て
山も崩れたりしているだろうからです。

これは倒した後で、実は生きていました、という
締まらない終わりにするんだろうと思いながら見ていたところ、
ほぼ最後にやっぱり一匹が生き残っていたシーンが出てきます。
またこれか、とがっかりした瞬間、
主役たちの車が気づかずにそれをひき殺して、
思わず吹き出しました。

そんなラストに象徴されるように、
映画の題材も内容としてはとても安っぽく、
これをまじめにやろうとしたら、結局どこか真剣さも
うすっぺらい映画になったと思います。
けれどこの映画は、その安っぽさを逆手にとって
その安っぽさもあくまでジョークだと突き放すことで、
かえって気楽な娯楽映画としてうまく完成している気がしました。

意外とおもしろかったです。