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2012-06-11
スパイダーパニック!
EIGHT LEGGED FREAKS
2002年 アメリカ
主役は蜘蛛に詳しい少年です。

主役の住む町には鉱山跡があり、私利私欲に走る町長は
他人の所有地であるその鉱山跡に、
産業廃棄物を隠してお金をもらっていました。

ある日そこに産業廃棄物を捨てにくる車が、
誤って途中の湖に産業廃棄物を落としてしまいました。
その産業廃棄物に影響された昆虫を捕まえ、
飼っている蜘蛛に与えている老人がいました。
この老人は主役と友達です。

老人の飼っている蜘蛛は見る見る大きくなり、
そのうち老人が蜘蛛に殺されました。
さらに蜘蛛は町へ出て、人を襲い始めます。

よくわからないうちに完全巨大化した蜘蛛に
町の人たちは襲われて大パニックになります。
町は停電します。

主役の家族は警官の母と姉です。
主役の家族は母親の同僚と、母親に近づこうとしている男と
車で脱出して町に危険を知らせるため、
小さなラジオ放送局で流してもらいます。
信じない人も多数います。

それでも襲われたのでみんなで堅牢そうな
ショッピングモールに集まります。
集まる前にも多数やられます。

町長はショッピングモールから鉱山跡に逃げますが
蜘蛛につかまります。

主役の母に好意を持つ男は、ショッピングモールの
屋根の上にあるアンテナそばで携帯電話を使い
救助要請しますがいたずらと思われて断られます。

ショッピングモールもこわされ、
人々は鉱山跡に逃げます。
鉱山跡には有毒ガスが発生しています。可燃性です。

主役の母に行為を持つ男は、自分のおばを助けに行き、
そのほかの人はそのまま脱出します。
脱出したら電気を通し、可燃性ガスに引火させて
蜘蛛を焼き殺します。
主役の母に行為を持つ男は、自分のおばの救助を成功させ、
爆発に巻き込まれることなく脱出してきました。

助かる人は助かり、蜘蛛は死にました。


……というようなお話です。

これはもう、とにかくひどいです。
ジャンルはサバイバルかパニックモノになるでしょうか。

そもそも、襲ってくるのが蜘蛛というのもひどいです。
蜘蛛は完成された気持ち悪さがあります。
あれが画面に大写しになるだけで、気持ち悪いです。
でもそれは映画の撮り方、見せ方による気持ち悪さではなく、
元からのものです。
子猫の映像を普通に撮ってもかわいく見えるように、
蜘蛛の映像を普通に撮っても気持ち悪く見えます。
撮影がわの工夫なんて、あってないようなものです。

その蜘蛛も、ばらばらに行動するのではなく、
なぜか集中して人を襲います。
そこに納得できる理由は一切ありません。
蜘蛛ならば生きている獲物を襲う程度に思えますが、
この映画ではなにがどうあろうと建物を壊し、
中にいる人間を的確に見分け、人間だけを確実に狙って
蜘蛛同士協力して襲い掛かります。
汚染物質でおかしくなったにしては、
知性が発達しすぎで、性質も変わりすぎです。

しかも主役は、蜘蛛が徘徊する町を移動して、
ショッピングモールに集合するように言います。
そのせいで人が多数襲われます。
危険を冒して街なかを足で走るよりも、
音を立てずに朝まで家でじっとしていたほうが
安全だったと思います。
あの行動は、最後にまとめて殺した風にみせるためだけの、
わざとらしいご都合主義に見えました。

鉱山跡で坑内に可燃性ガスが充満しているという設定も、
中で普通に呼吸したり、たばこを吸おうとして
ライターを使ったり、バイクのエンジンをかけるときに
点火スイッチを押したりしているのに爆発しないので
どうにもいんちき臭がしてたまりませんでした。

とにかく全編いい加減なわりには、蜘蛛だけやたらに
気持ち悪くて、画面がまともに見られませんでした。

微妙な映画でした。