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2013-01-31
グラスハウス2
GLASS HOUSE: THE GOOD MOTHER
2006年 アメリカ
主役は両親を亡くした女の子です。
弟もいます。

親戚は警官をしている男性一人でしたが、
ひきとれないというので里子に出されることになり、
金持ちの夫婦に引き取られました。

最初はよかったのですが、
そのうち主役の弟の具合が悪くなります。
家の中に変なものを発見しつづけていた主役は
それも人為的なものだと思います。

しばらくしてあやしがっているうちに、引き取り先の母親役が
つらく当たるようになります。

主役はネットを使って、母親役が代理ミュンヒハウゼン症候群
だとあたりをつけます。

このままだと弟が殺されると思った主役は
弟を連れて逃げようとしますが失敗。
部屋に閉じ込められます。

そのうち親戚の男が来ます。
里親たちは主役に黙っているように言います。
主役はどうにかして気づかせようとします。

失敗して、外に出ますが、戻ります。
親戚の男は主役たちのことにきづきます。
一人で突入します。
突入直後、女に眠らされます。

主役は里親の男のほうを倒して、女と格闘になり、倒します。
弟を助けに行ったら、女が復活して襲ってきます。
殺されそうになったところで、男が復活していて、
女を撃ち殺します。
復活した親戚の男は、里親の男を確保します。

主役たちは生き残りました。


……というようなお話です。

里親にもらわれた主役がおいつめられて、
その状況を逆転して打破する内容です。

基本的に話はすべて甘いです。

まず母親が代理ミュンヒハウゼン症候群のように描かれますが、
もしそうであれば、母親の行動原理は
『病気の子どもを看病するわたしはすてきと
他人にほめられたい』というものに近くなるはずです。
そのため、こどもを病気にした後は、適切な看病、
適切な処置をしているところを誰かに見せ、
ほめてもらわなければなりません。
でもこの母親はまわりすべてを拒絶するので
症状としておかしいと思いました。

それから、里親の夫婦の状態。
過去に十数人も里子をもらっていながら
つぎつぎ死んでいるというのに、警察も里親紹介所のような
組織もなにも気にせずに次々新しい里子を送り込んでいるのが
おかしいです。
これだけ一軒の家で死んでいるのに、
なにも気にしないものでしょうか。

次に、主役ですが、里親の女のほうが弟を殺すつもりだと、
わかったあとで、部屋に閉じ込められても
食事をしない以外の抵抗をとらないのが納得できません。
食事を運びに来る時間もわかっているのですから、
そこは最終的に殺すにしても生かしておくにしても、
襲い掛かって弟に危害が及ばないようにするほうが自然です。

また、たくさんの里子が不自然に病床に伏せる
証拠写真を手に入れた後、弟と一緒に逃げようとするのも
微妙でした。
証拠があるのですから、自分ひとりで逃げて通報し、
弟を救い出すほうが簡単だし、自然に思えます。
なぜなら、病気に見せかけて殺すという、
まさにその証拠写真を目にしたこともあり、
弟はすぐに直接的な方法では殺されないことは
示されているからです。
でも、それでは追い詰める映画にならないので
そうしなかったというような、映画の製作者の
無駄な作為を感じてしまい、気がそがれました。

警官である親戚の男も、虐待を疑ってやってくる状況が
不自然に思いました。
また、主役たちに行われる虐待を確信したあと、
変に突入するのも微妙でした。

応援を呼んだらその場で待ってもよく、
入る前に警察だと叫んで相手の動きを止めてもいいのです。
警察の存在を知らせたら主役がどうにかなるとは
そこではわからないはずです。
さらには突入前に、主役が倒した男を発見したのち、
動けなくする処置をなにもとっていないのが微妙でした。

それから、家の警報が鳴る描写もよくわかりませんでした。
家から出さないようにするために警報装置などを
たくさんつけていますが、主役が外で見たという姿は
一体なんだったのでしょうか。
それも話しにかかわってくると思ったのに、
一切関わってこなかったのがわけがわかりません。

そのように、ほとんどの状況において
微妙なものが目に付くので、
見ていても常に微妙さを感じてしまい
楽しむことはできませんでした。

全体としても、微妙な映画でした。