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2013-02-06
ペイ・フォワード 可能の王国
PAY IT FORWARD
2000年 アメリカ
主役は中学生になったばかりの少年です。

社会化の授業で、世界を変えるためにできることをする
ということになり、主役は自分で考えた末、
だれか3人を手助けし、その3人に誰か3人を手助け
してもらうように言ってみることにしました。

主役の助けた人は他の人を助けて、記者が調べはじめます。

主役は社会科の先生と自分の母親をくっつけようともします。
社会科の先生は、主役と同じような立場の少年期を
すごしてきました。
主役の家族の大人はアルコール中毒ばかりです。

主役の母親は、アルコール中毒で暴力を振るう夫を
捨てる決断をしました。
社会科の先生は主役の母親に愛を告白しました。

主役は乱暴されている同級生を助けようとしたものの
一度は失敗して落ち込みます。
二度目に見つけたとき、勇気を出して立ち向かったら、
さされて死にました。

主役の親切運動の取材があった日のできごとで、
その後、そのインタビューが放送されると、
家の外には主役を悼む人々が大勢やってきました。

主役の行動は多くの人たちを救っていたのでした。


……というようなお話です。

一人を助けたら、その人が別の三人を助けることを
広げていく運動が大きくなり、みんな幸せになるのかと思いきや、
映画の途中もからもそううまくはいきません。
主役自身も、助けた相手に、誰を助けるか指名したり、
アルコール中毒の親がからんできたりします。

それでも、勇気を出して自分も行動してみたところ、
助けた相手を襲っていた人間に殺されて
主役が死んでしまうというのが、やるせない気分になりました。

あくまで映画としてお幸せにはしたくないと思ったのかも
知れませんが、個人的にはおとぎ話のような幸せさのほうが
よかったと思います。

そんなさみしい終わり方の割には、
途中で、助けた人のせいで逆に誰かが不幸になるというような
話も出てきませんし、主役が死に掛けているときに、
自分の親切が廻って助かるようなことにもなりません。
中途半端に現実的で、どこか突き放されたような
印象を持ちました。

全体としては、おもしろく見られる感じの映画でした。