1396
2013-04-03
魔界転生
1981年 日本
主役は宗教弾圧で殺された男です。
恨みによってよみがえり、悪魔の力を借ります。

主役は恨みで死んだ仲間を増やします。
自分たちを殺した幕府を倒そうとします。

途中仲間が生きている人間に殺されたり、
仲間が裏切ろうとしたり、仲間を主役が殺したり、
主役が生きてる人間に殺されたりします。

けれど主役は死にきらず、また復活すると言って
去っていくのでした。


……というようなお話です。

キリスト教徒はたしか、殉教したら聖人のように
たたえられるので死が罰にならなくて困ると
ヨーロッパの支配者たちが言っていたような記憶があります。

そのキリスト教徒の民間の指導者だった主役が
宗教弾圧で殺されて、なぜ恨みを持って悪魔に魂を
売り渡すようになったのかの説明がまるでできていなく、
とても不愉快な気分を味わいました。
信心のために殺されるのは神の道。
神の道をつらぬいた信徒を見て、自分が殺されても
それは信仰をつらぬいたことで、
自分で誇りにできることでしょう。

なのに、主役は神は呼んでも答えなかったといって
悪魔を呼びます。
悪魔は呼ばれて出てきます。
神の徒のはずが、なぜ悪魔を呼ぶ呪文を知っているのか、
なぜ悪魔はそう簡単に出てくるのかもわけがわかりません。

この映画を作った人間は、宗教も歴史上の人物である主役も
侮辱していると思います。

また、いくつか剣戟がありますが、剣豪がでてくるわりには
剣の構えも振りも、剣を使う人のそれではなくて
大変興ざめでした。
剣豪を模すならまともに振れるくらいには
練習して欲しかったと思います。

話は半分くらいかかって仲間を集め、
後は仲間たちが何人か死んでいき、
最後は民衆をあおって城にせめこみ、
やられるような感じです。

安っぽさと主役への侮辱が気に障りましたが、
見ていられる映画でした。

流し見る分には、おもしろく見られる感じの映画でした。