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2013-10-16
SPIRIT
霍元甲
2006年 香港・アメリカ
主役は武術に興味のある病弱な少年です。

ある日武術大会があるので見に行くと、
父親が相手に止めをささなかったせいで反撃を受けて
やられてしまいました。
それから主役は独学で修行を始めます。
力こそすべてだと思うようになります。

その後、主役はおとなになりました。
武術の達人になりました。

武術以外はからっきしで、門下生も増えました。
門下生は武術を習うのが目的でなく、
主役の強さをかさにきて好き放題するのが目的でした。
弟子たちの飲み食い代金などで、主役の家の財産はなくなります。

ある日、門下生の一人が、敵対する流派のボスの身内に
ちょっかいをかけたため、のされます。
でもそのことは主役に言わずに、主役の弟子は
ただのされたことだけを言います。
そのため、激情した主役は敵対する流派のボスと
殺し合いをします。
敵対する流派のボスを殺します。

敵対する流派のボスの息子は、主役ではなく、
生きている主役の身内である、主役の母と娘を殺します。
主役は敵対する流派のボスの息子を殺しにいきます。
相手の妻と娘は生かしておきました。

その後、門下生から事実を聞いて絶望します。
川に身投げします。
けれど助けられます。

ずっと下流の知らない町でしばらく暮らし、
主役は真人間になっていきます。
それから、元の街に戻ります。
元の家は、お金がなかったものの、
家と忠実な一人が残っていました。
全部なくなるところだったのを、
こども時代からの友人が救ってくれたそうです。

主役は、外国人が調子に乗っている武闘大会の紙を見て、
参加することにします。
こども時代からの友人に金を借りて参加します。

戦って勝ちます。
敵を叩きのめすのでなく、死にそうになった敵を救ったので
さわやかな勝利でした。

こども時代からの友人は、主役の理念に感動していたため、
一緒に武闘教室のようなものを作ると言います。
主役に共感する人間たちが集まってきました。

外国勢は面白くないので、叩きのめそうと画策します。
試合になると、お茶に毒を入れました。
主役は休憩中に飲んで死にかけます。
もう助からないと悟った主役は、試合に戻ります。

対戦相手は主役を理解して戦います。
主役は戦って最後で力尽きます。
対戦相手は、主役が勝者だと言います。

主役は、周りに復讐は やめろと言います。
大勢の人たちに見守られながら、主役は死んでいきました。


……というようなお話です。

武道を敵を叩きのめすための手段として使っていた男が、
そのことで手痛い目にあったのち、意識を変革させられて、
武道を相手を理解し自分をわかり、
自分を乗り越えるためのものにします。

そのことも間接的に関わって、殺されることにはなりますが、
独りよがりのときとは違い、周りには温かな人がいた
という対比の、人間成長譚のような内容でした。

前半は主役含め、ばかたちがばかをやって
人が死ぬなどばかな状況になるだけの不愉快な内容ですが、
後半は主役が目覚めてまともになっていくので、
話は見ていてさわやかです。

最後に主役を毒殺するところは不愉快で、
その意味はよくわかりませんでした。
戦いの最中にいきなり普通ならありえない吐血をし、
その状況で片側が喜んで、倒せと叫ぶなど、
誰が何をやったか半分以上明らかです。
勝ったところで非難しか受けないでしょう。

それよりも、睡眠薬やしびれぐすり的なものを
いれておいたほうが自然に勝ちを演出できたはずです。

おそらくは、前半の暗い孤独な死に対応して、
温かで人に囲まれた死というのを演出するために
出したものだと思いましたが、
そこの不自然さは気になりました。

前半は不愉快な感じでしたが、
後半は見やすく後味もよかったので
全体としては意外とおもしろく見られる映画でした。