1462
2013-10-22
ラストサマー
I KNOW WHAT YOU DID LAST SUMMER
1997年 アメリカ
舞台は現代アメリカの港町で、
主役は4人の高校生たちです。

主役たちは大学の卒業年度の夏に、
馬鹿騒ぎをして車で帰ります。
そのときに男を跳ねました。
この男が敵です。

敵は気違いでした。
敵の娘がデート中に事故にあって死ぬと、
車を運転していたデート相手の男を憎み、殺しました。
その帰り、夜道を歩いていたら車に跳ねられます。
跳ねたのは主役たちの車です。

主役たちはもめた末、敵の体を片付けることにします。
処理中に知人の車が来ますがごまかします。
敵の体を海に沈めようとしたところで、敵が意識を取り戻します。
主役たちは敵が死んだと思っていましたが、生きていました。
とりあえず流して事件が終わったことにして
みんなで口を閉ざします。

それから一年後。それぞれの道を歩んでいましたが
またみんな街に集まります。

そこに、『去年の夏(ラストサマー)のことを知っている』
というような手紙が届き始めます。
そのうち何人かが殺されていきます。

誰がやっているのかがわからず不安になります。
主役のうち女性二人は、誰なのか調べようとします。

自分たちが殺したと思っている相手を調べます。
一度目ではわかりませんでしたが、
二度目で自分たちと同じ手紙を見せられます。
主役たちが殺したと思った相手は別人でした。
殺したと思った相手は、その手紙により、
主役たちを殺そうとしている相手と同じだとわかります。

調べると、犯人がようやくわかります。

最初は警察にすら言えませんでしたが、
そのうち警察に狙われていることだけ言います。
けれど信じてくれません。
主役たちのうちの二人も殺されます。

船の上でミスコンテストでかつて優勝した女性主役が
敵に狙われます。追いかけっこをします。
そのうち主役のもうひとりも来ます。

どうにか敵を倒しますが止めをさせずに逃げられます。

その一年後、女性主役が遠い場所にいたらまた襲われたようです。


……というようなお話です。

大体が誰が犯人かと謎をかけるサスペンスで、
残りは人を殺したと思い込んでいがみ合いののしりあう場面と、
敵と戦う場面を混ぜたような内容です。

話も行動もすごく甘くて、見ていて微妙な気分になりました。

まずは主役たちが人を殺したと思ったところ。
夜の道路を走っていていきなり人が飛び出して来て
はねてしまったのですから、運転手の過失割合は
かなり低いと思われます。
死体を隠して逃げてしまったら罪になりますが、
しっかり手当てしようとして通報もすれば
無罪になる可能性も普通にあります。
中途半端にひき逃げしようとしているのがばかです。

次に、死体の処理。
相手が生きてるか死んでるかを確認するなんて
普通真っ先にやることでしょう。
たしか最後に主役たちの一人が確認して、
「死んでる」と言ったはずです。
なぜ死んでいると思ったのか、そこで言わせたのか、
なぜだれも死んだ人間の顔を確認していないのかに
製作者のものすごい悪意を感じます。

観客にミスリードをさせたいためだけの演出で、
敵が死んだはずの人間だとわかった時点で
主役の一人が敵かと思いましたがそうでもなく、
まったく伏線でもなんでもなかったことに矛盾を感じて
大変いらつきました。

それから敵に襲われるところ。
敵は生身の人間だとわかって、襲われた一発目を
うまくかわして逃げ出したあと、
女性主役はただ微妙に逃げるだけでなにもしようとしません。
攻撃すれば殺せるかもしれないのに、なんとなく逃げるだけです。
一度信号弾を打とうとしますが、ご都合主義で海に落とします。

女性主役と敵が乗った船が港から離れたら、
大変大変と困りながら、船の中を走るだけ。
海に潜るとか、海に潜ったように見せるフェイクを入れるなど
何一つとして行いません。
わけがわかりません。

港には男性主役が見える場所にいて、
女性主役も船から飛び込めば普通に泳げる距離にいたのに
なぜそうしないのかがわかりません。

なんだかもう、とにかくシナリオか監督かのぎこちない作為が
気に障ってしかたありませんでした。

全体としては、どちらかといえばおもしろく見られる方向、
程度の映画でした。