1499
2013-12-28
完全なる報復
LAW ABIDING CITIZEN
2009年 アメリカ
主役は検察官か弁護士です。

ある日、とある男の家に強盗が入ります。
この、強盗に入られた家の男が準主役です。

準主役は妻と娘を殺されました。

準主役の事件を主役が担当することになります。
主役は自分の勝率を下げたくないので、
とりあえず『裁判での勝ち』と言える内容で終わらせるため、
相手側と裏取引をします。

相手の非道を知る準主役は、主役に憤りますが
主役は取り合いません。
準主役はいろいろなものに復讐を誓います。

それから十年後、準主役は復讐を開始します。

犯人連中を殺し、裁判で関わった人間も殺していきます。
監房の中に豪華食事を運ばせたり、音楽プレイヤーを
運ばせたりします。
時間内に事をしろと言ったものの、主役側が約束を破ったせいで
人が死んだりもします。

その後、準主役は監房の中で人を殺して独房に移ります。
準主役は、暗殺作戦の作戦立案者で頭はいいと
主役は政府の人間から聞きます。

準主役が独房に移ったのは、独房に脱出できる穴を
掘っていたからでした。
主役は脱出します。

また人を殺すため、変装して建物にもぐりこみます。
爆弾をつかうつもりです。

そこに主役が追いつきます。
爆弾を解除して、こっそり主役のそばに隠していました。
準主役は遠隔操作のスイッチを入れます。

主役は逃げますが、準主役は逃げられず、あきらめます。

爆弾は爆発し、準主役は死にました。


……というようなお話です。

現在の司法制度や刑法が犯罪者の方を向きすぎていて狂っている
というのはわたしも思います。

この映画は、その矛盾をとにかく強烈につつくなら
おもしろくなったかもしれないのに、
途中で復讐の方ばかりになります。

自分の裁判に関わって、くだらない判決に導いた人間を
準主役がうまく殺しつくし、それでも『確実な証拠が
みつからないから自分は無実になる』と周りをばかにした上で、
爆弾で自殺するようなエンディングが見たかったと思いました。

実際は、法を守る人間であったはずの主役が、
法廷で裁くこともせず、準主役の仕掛けた爆弾を使い、
死ぬようにしむけます。どちらかと言えば、私刑です。

これでは、法はやっぱり正義などないのだ というオチになり、
全体的に話がまとまりません。
どうせすべてやったもの勝ち。こんな映画も撮ったもの勝ち。
見た者だけ負け みたいな雰囲気を感じました。

全体として見ると、筋の練り不足で見終わっても納得できず、
不満感の残ってしまう、おもしろいともつまらないとも
断言できないような、どちらとも言い切れない映画でした。